近隣の騒音に対する苦情が増えている
コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言に伴い、外出自粛や企業によるテレワーク、各種学校のオンライン授業の実施が多くなりました。
そのため、平日の日中も自宅で過ごす時間が長くなり、隣接するお部屋や上階からの騒音、時には臭気に関することなど気になってしまうケースが増えたようです。
そんな中、弊社で今まで一番対応に困ったトラブルが発生しました。
事の発端は上階からと思われる騒音でした
他の入居者に直接、話を聴くのは難しい
弊社が賃貸管理している部屋の入居者から、
「上の階から騒音がするとのことで、注意をしてほしい」
との連絡がありました。
分譲タイプのマンションの場合、各部屋のオーナーごとに賃貸管理委託をしている会社が異なります。
弊社が管理しているお部屋以外の入居者の情報は一切わからず、また連絡を取る手段もありません。
そのため、マンション内でこうしたトラブルが発生した際は、建物管理会社を通じて共用部分にお知らせ文や警告文を掲示してもらいます。
場合によっては、建物管理会社から各入居者に連絡を取ってもらい、ヒアリング調査を行ってもらったりします。
建物管理会社に入居者への調査を依頼することになりました
建物管理会社による調査の結果、上下左右隣接する部屋の入居者の方は、大きな騒音を発した覚えはないとのことでした。
次に騒音の原因として考えられたのが、水道の開け閉めを行った際に水道管から『カン』とか『コン』といった音がする、ウォーターハンマー現象でした。
しかし、こちらも調査の結果ウォーターハンマーは発生していないことがわかり、音の発生原因は突き止められずといった状況です。
原因が不明のまま状態が続いて、とうとう……
騒音の原因が分からず、解決できない状態が続き、騒音被害を主張している入居者のイライラが募り、次第に行動がエスカレートしていきました。
昼夜問わず、騒音が発生していると思われる方の部屋に向けて、壁や天井を叩き返すといったこと行動です。
また別の日には、騒音が発生したと思われる部屋のインターホンを鳴らして、直接、注意を促そうとしていました。
さらには、共用部分の掲示板などに、騒音被害を訴える掲示物を貼っていたそうです。
入居者同士がギスギスしましまう、そんな状況が数ヶ月続きました。そしてとうとう、他の部屋の入居者が引っ越してしまいました。
これではどちらが被害者なのかわかりません。
弊社としても、これ以上他の入居者の方に迷惑はかけられないので、該当する部屋の方と話合いをし、退去してもらうことにしました。
共同住宅ゆえに心掛けたいこと
通常、共同住宅でも騒音苦情が発生した場合は、建物管理会社による口頭注意や掲示物で納まることがほとんどです。
今回のケースは音の原因も解明しないこともあり、ここまでエスカレートした事例は初めてでした。
共同住宅である以上、あらゆる面で一人ひとりがお互いに最低限の気遣いを行うことにより、快適な生活環境を築くことができます。
私も含め皆様にも心がけた生活を送っていただきたいと思います。