中古ワンルームマンション投資に
適した築年数とは

中古ワンルームマンション投資に適した築年数とは

初めてワンルームマンション投資に取り組んでみようと思った時、立地の次に悩むのが築年数。

プレミア感のある新築物件、または価格が安定している中古物件のどちらを選ぶべきなのか。

そして中古物件でも築年数は、どのくらいが適切なのでしょうか。

中古ワンルームマンションの築年数と
販売価格【東京23区】

新築マンションはプレミアム価格

新築マンションの場合、「プレミアム価格」で中古マンションよりも販売価格は高めです。

マンションを建築するにあたっての土地代や建築費、マンションを販売するための販売広告費用、そして販売業者の販売利益が含まれています。

販売利益は原価とは違って相場や明確な基準はありません。販売業者の都合で金額を上乗せすることができます。

販売状況や価格交渉などで値引きされることがありますが、多少の値引きをしても利益が取れるようになっています。

新築マンションの価格=土地購入代+建築費用+販売広告費用+販売利益

中古マンションの築年数と販売価格

中古マンションは新築と違って、価格に建築費用などのコストは含まれていません。

物件そのものの資産価値で決まります。近隣類似物件の販売事例も一つの指標となりますが、金融機関の評価も大きく関わってきます。

金融機関の評価とは、その物件を担保に貸せる金額です。金融機関によって評価の基準や計算方法は違いますが、どの金融機関でも概ね適切な評価額を出しています。

物件の評価ですが、日本中どこにある物件でも同じ基準で評価されません。都心部では評価が高く、郊外や地方では評価が低く、また場所によっては融資対象外のところもあります。

築年数によっても評価額が変わってきます。金融機関によっても多少の違いはありますが、基本的に利回り計算を基にしています。築5年程度の築浅物件、築10年未満、築15年未満、築15年以上の区切りがあり、築年数により基準が変わってきます。実際に市場に売り出されている物件のほとんどが、金融機関による評価額に近い金額で売買されることになります。

価格相場の基準となる利回りですが、表面利回りと実質利回りがあります。金融機関によって、どちらの算出方法を基準とするかで利率は違ってきます。

表面利回り
実質利回り

東京都心部の各築年数による相場は、次の通りです。実際の価格の動向と比較しても、概ね合っているといえます。

《築5年前後》

実質利回り3.3%前後 = 3,000~3,500万円

《築10年前後》

実質利回り3.5%前後 = 2,500~3,000万円

《築20年前後》

実質利回り3.8%前後 = 2,000~2,500万円

《築30年前後》

実質利回り4.0%前後 = 1,500~2,000万円

参考:アットホーム
首都圏における「中古マンション」の価格動向
(2023年1月)

ワンルームマンションの築年数と家賃の相場

続いて購入後の家賃収入と家賃の相場について。同じ地域内の中古物件と比較して、新築物件の家賃は高めに設定できます。販売価格と同様に、新築プレミアムによる家賃となっています。

新築物件は真新しい設備なども含めて新築であることに価値があるので、それ相応の家賃を払ってでも入居したい希望者はいます。

最初の入居者が決まった時点で、新築から中古になります。そして1人目の入居者の退去後、新しい入居者を募集する時には、新築と同じ家賃設定にするのは難しいです。築数年自体は新しいので、周辺地域の相場よりもプラスに働いていますが、それでも一段階は下がります。

新築物件を購入してワンルームマンション投資を始める場合、2人目以降の入居者からの家賃は新築プレミアムではなくなるので、家賃は下がることを念頭に運用する必要があります。

東京都心部の築年数別の相場

築浅5年前後の家賃

新築から住み始めた入居者が1回または2回契約更新、しばらくして退去します。平均的入居期間4~5年を過ぎたあたりです。

退去後の家賃設定は、新築時のプレミアム家賃では無くなります。新築プレミアム家賃が12万円とすると、15%ダウンで10.2万円まで下がります。

築浅5年前後の利回り

家賃………… 104,000円

管理費………… 9,200円

修繕積立金…… 2,010円

価格………… 3,320万円

実質利回り… 3.35%

築10年前後の家賃

建物全体や室内の造り、設備のグレードなど見た目は新築物件と比較しても遜色ありません。

ほぼ家賃の下落はなく、新築時の12万円に対して9~9.8万円の家賃設定で入居者が決まります。

築10年の利回り

家賃………… 97,000円

管理費………… 8,800円

修繕積立金…… 2,600円

価格………… 2,850万円

実質利回り……… 3.60%

築20年前後の家賃

ワンルームマンション規制前で、ほとんどの物件が20㎡前後で作られています。

なお規制後の物件は25㎡以上となり、家賃も価格もその分高くなっています。

共用部分については、オートロックや宅配ボックスがあります。室内はフローリングはもちろん、浴室乾燥機やシャワートイレといった設備は十分に充実しています。

家賃相場は専有面積によって異なりますが、8~9万円程度です。

家賃………… 86,500円

管理費……… 6,850円

修繕積立金…… 5,610円

価格………… 2,320万円

実質利回り……… 3.82%

築30年前後の家賃

30年ほど前に建てた物件は、3点式ユニットバスが主流でした。浴室内にトイレがあるタイプで、専有面積も大半が15~20㎡となります。

当時はこのサイズ、この仕様が画期的と言われていましたが、現在では人気はありません。需要がほとんどないので、家賃を安くしないと入居者が決まりません。

家賃相場としては6~7万円といったところです。

築30年の利回り

家賃………… 67,000円

管理費………… 8,520円

修繕積立金………… 6,500円

価格………… 1,590万

実質利回り………… 3.92%

ワンルームマンションの築年数は
15~25年くらいがオススメ

新しすぎず、古すぎずとバランスのとれた築年数

高い家賃を得るために新築、または築浅物件の購入を検討している方もいます。新築プレミアム家賃が適用されるのは、最初の入居者までです。

築10年前後の物件は、ワンルームマンション規制で専有面積25㎡以上の広さとなっています。広くなった分、家賃は割り増しになりますが、差額分まで払って広い部屋に住みたいと考えている人は少ないです。

利回りだけ見ると築30年超の物件の方が、効率的に運用できるようにみえます。しかし、入居希望者の要望に応えられず空室期間が増えてしまいますので、実際に入ってくる家賃は想定を下回り、利回りは下がってしまいます。

築15~25年の物件は築浅~築10年の物件と比較すると、設備や機能はやや見劣りします。

しかしオートロックや宅配ボックスなど共用部分の設備、システムキッチンや浴室乾燥機などの室内設備が設置されているので、日常生活を送る上で十分な機能性も確保されています。

専有面積が20㎡位で購入金額も比較的手頃な上、家賃とのバランスがよいのが特徴です。

築年数で変わるランニングコストも考慮する

ランニングコストである修繕積立金は、年々値上がりします。

新築販売時は物件の販売価格が高いため、販売しやすいように修繕積立金の設定が極端に安く設定されています。安いところで1,000円台から3,000円程度がほとんどです。

国土交通省のガイドラインでは、大規模修繕の周期を12年程度としているので、当初の修繕積立金の金額では予定通りに大規模修繕を行うことができません。

新築や築浅の物件を購入すると、数年後には必ず修繕積立金がアップすると思っていた方が良いでしょう。

その点、築20年前後の物件は数回ほど修繕積立金の改定が行われていますので、修繕積立金が適正な額に戻っていることが多いです。時期的にも、1回目の大規模修繕工事が終わっていることがあります。

その後の修繕積立金残高も徐々に増えていることも多く、2回目の大規模修繕に向けた準備も整っています。そのため修繕積立金の大幅なアップはなく、収入と支出のバランスが大きく変わる心配もありません。

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